小説
月の夜に君は (15禁、どーしても読みたい人は4ページ目を飛ばして下さい。・・って・無茶な・・・)
8月のだれるような夜の暑さの中、悠斗は通い慣れたマンションまでよろよろと歩いている。
夏紀の家を最初に訪れてから今日でもう4回目になる。
毎週金曜日に逢うのが当たり前の様になっているのだ。
悠斗は汗だくになってあまりの暑さの為、朦朧としてきていた。
ーも・・・死ぬ・・・あともうちょっとだ・・・。
日頃あまり規則正しい生活をしていないので、こういう時にどっとしわ寄せが来ている。
重たい足を引きずって、ようやく夏紀のマンションに着いた頃には、着ているTシャツは汗で身体に張り付いていた。
オートロックの鍵を開けるには、部屋番号を押さなければならない。
「くっそー、めんどくせー。」
悠斗はそう悪態を付きながら既に記憶にある701を押す。
「悠斗くん?」
夏紀の声が聞こえてくる。
「早く開けてくれー、暑くて死んじゃう。」
「解った。今ロック解除するからね。」
インターフォンから聞こえるその声は、少し笑っていた。
ー人の気も知らないでっ。
エントランスへの扉が開くと、一直線にエレベータへ向かう。
丁度いい感じに一階で止まっていたエレベータに乗り込むと、ホッと息を漏らした。
7階に着くと、角部屋のチャイムを鳴らす。
ドアが開くと、夏紀が笑顔で出てきた。
「いらっしゃい、悠斗くん。」
そう言うより先に悠斗は部屋に入り、倒れ込む。
「だっ・・・大丈夫かい?」
心配そうに夏紀が声を掛けると、悠斗は顔も上げずに答えた。
「大丈夫じゃねーよ・・・。」
夏紀は笑いながら、
「シャワーでも浴びてきたら?」
と言ったので、悠斗はそれに従う事にした。
服を脱ぐと、汗がべっとり付いていて、何だか気持ち悪い。
熱いシャワーを浴びると、つい1ヶ月前のことが頭をかすめる。
それまでの生活からは考えられない、随分健全な生活をしている気がする。
そう、悠斗はあれ以来、誰ともセックスはおろかパソコンすら開いていない。
ーこの俺が・・・ありえねー・・・。
そう思っていると、扉の向こうから夏紀の声が聞こえてきた。
「着替え、僕の服でいいかい?」
「ああ、サンキュー。」
「それで・・・、あの・・・。」
夏紀が何かをいいずらそうにしている。
「何?」
「下着も僕のしかないんだけど・・・。」
悠斗はちょっと唖然とした。
「俺は、別にかまわないけど・・・。」
「そ・・・そう、じゃあ、ここに置いておくからね。」
夏紀がホッとしたように言ってその場を去った。
ーそんな事気にするなんて・・・夏紀さんて何か可愛いよな。
そう思いながら、無意識に悠斗はそこに手を持っていく。
「・・・んっ・・・」
頭がボーっとしてくるのを押さえることが出来ずに、快感の波に飲まれていく。
「はぁ・・・はぁっ・・・」
自分でコントロールがきかなくなっていくのを感じながら、動きは早くなっていく。
「・・・あっ・・・あっ・・・っつっ」
悠斗から出た液体はシャワーと一緒に流れていった。
「何やってんだか・・・俺は。」
ちょっと情けなくなって苦笑いをする。
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