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汗まみれになった布団に2人は横たわって、さっきまでの情事の後を楽しんでいた。
「今日の夏紀さん、いつもより激しかったね・・・。」
「・・・・・・。」
ふふっと笑って悠斗は照れている夏紀に軽くキスをした。
ふわりとした悠斗の髪が夏紀の頬にあたる。
「これって、天然?」
指で悠斗の髪の毛をそっと触りながら訊く。
「髪? そう、これの所為で中学校の時は大変だったぜー、先輩には目付けられるわ、せんせーには疑われるわ。 あげくの果てに水をぶっかけられるわでさ。」
「そんなこと教師がするの?」
「まあ、その頃から俺、ピアスとかしてたし、あんまいい生徒じゃなかったしな。」
「目に浮かぶ。」
くすっと夏紀が笑う。
その時枕元でガサッという音が聞こえた。
夏紀は本能でがばっと起きあがる。
「何?」
「ゴ・・・ゴキブリ・・・」
「ああ、またか・・・どこ?」
「そこにいる・・・」
やれやれというように悠斗は起きあがって側に置いてあった雑誌を丸める。
「そっ・・・それで潰すの・・・?」
夏紀は恐る恐る訊く。
「ああ、いつもそうだぜ。」
ひいっと声を上げた。
「ゴキブリ苦手なの?」
悠斗にそう言われ、夏紀はうんうんと頷く。
「だらしねーなー。・・・お、いた。」
悠斗は持っていた雑誌を振り上げてバンッと叩く。
「一丁上がり。 もう大丈夫だぜ。」
夏紀はまだびくびくしながら悠斗に近づいた。
「・・・よくそんなこと出来るね・・・。」
「前にも言ったじゃん、しょっちゅう出るってさ、もう慣れちゃった。」
夏紀が信じられないという顔をする。
「・・・悠斗・・・この部屋、いつ掃除したんだい?」
「へ?」
ーあれ?もしかして話がまずい方向に向かってる・・・?
見渡すと、雑誌やら絵の道具やら脱ぎっぱなしの服が部屋中に散乱している。
「いや・・・いつだったかなー・・・? 大晦日にしたような・・・。」
頭をポリポリ掻いてごまかそうとしたが、夏紀の顔が強ばっていった。
「半年以上掃除してないのか!?」
「あ〜・・・まあ、そういうことに・・・」
はは、と笑ったが夏紀はキッと悠斗を見て、
「悠斗、今から掃除しよう。」
と言って肩をポンと叩いた。
「えー? 今からー?」
「そ、今から。 徹底的にするからね。」
悠斗の反論も虚しく、そう言った夏紀の顔は有無を言わせない迫力があった。
ーマジかよ〜。何でこーゆー時の夏紀さんて頑固なわけ〜? あの優しい笑顔は何処に行ったんだー!
「さあ、やるよ。」
ーゴキブリのばかー!!
それから掃除は夜中まで続いたことは言うまでもない。
おわり。
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