はまるからだ
NO.2


カプッ。
いきなり耳朶を噛まれる。
「うっ。」
これは彼女は知らない、三田が発見した俺の性感帯。
背中に寒気に似た震えが来る。
ふうっと息を吹きかけられて、ついでにベロっと舐められた。
「あっ・・・。」
俺の口から思わず声が漏れて来ると、それを面白がるように三田のベロが耳朶から始まって穴の方まで入ってきて、ざわっとくすぐったいような気持ちいいような鳥肌が立ってきた。
「江藤って、ここ弱いよな。」
「うっせー。」
まるで俺を征服したような言い方をするから俺はムッとして反論したくなる。
でも三田の感じるところ、この前見つけたんだからな。
今は俺の方が上になってるから自由に動けるのはこっちだし。
俺は三田のへその周りに唇を這わせる。
「うわっ。」
思った通り、奴の身体がエビぞりになって俺の顔にぶつかった。
それを逃さずに左腕を背中に回すと、シーツがもう汗で濡れてちょっと気持ち悪い。
けどそうすると三田の身体は俺の自由になるから我慢することにした。
これ幸いと背中を指でつつっとなぞって、前は俺の舌でへそから上へと順々に舐めていくと三田の口が喘ぎ出す。
「んんっ・・・っあっ・・・」
こうしてると、まるでこいつが自分のモノなのかもしれないなんて錯覚を起こしそうになる。
「そろそろいいか?」
俺がそう訊くと、三田は返事が出来ずに首だけでこくこくと頷いた。
それを合図に上にいる俺が腰を動かし出す。
そうするとお互いのモノが擦りあって、やばいくらいの快感が身体を貫く。
これは彼女とは感じ合えない気持ちよさ。
さっきから先走り汁が出てるから、程よく濡れていてそれが余計に俺たちを頂点に誘(いざな)っていくようだ。
もうどっちだか解らない息づかいも、汗の匂いも、全てが射精のベクトルと同じ方向に向かっている。
「お・・・俺・・・もう出そう・・・」
三田が息も絶え絶えに言ってきた。
そうだろう、そうだろう。
なんつっても俺の舌技テクが効いてるに違いない。
ああっ、とひときわ大きな声を出して三田が先に達した。
奴が出した精液が混じって俺のモノはもっとぬるって最高潮を迎えた。
はあはあ、と肩で息をしながら俺は三田の身体に倒れ込む。
「汚ねー、先に拭けよ。」
奴は最初からそこに置いてあったのか、それともこれの為に用意したのか知らないけど、枕元に置いてある箱からティッシュを3枚くらい出して2人の出したザーメンを拭き取ってポイっと器用にゴミ箱に投げ入れる。
「今日はどっちだっけ?」
ごろんと三田の横に並んで訊いた。
「この前俺が入れさしてやったんだから、今日はお前の番。」
ちっ、やっぱりそうか。
俺たちは必ず2回射精する。
1回目は今みたいにして・・・言ってみれば相互オナニーってとこか。
2回目は順番にどっちかが女役に徹する。
じゃなきゃ、不公平だからな。
そんで今日は俺が三田に尻を貸す番ていうわけだ。
まだ高校生の若い俺たちは一回出したところでそれで満足することもなく、直ぐに勃起しようと思えば簡単に勃つ。
別に絶倫てわけじゃないけど、青春真っ盛りの頭の中はセックスが90%を占めてるって言ってもいいんじゃないかと思う。
ベッドで並んで向き合ってお互いのモノを扱き始めると、ちょっとさっきの名残でベトベトしてそれが難点。
乾きかけていた汗が皮膚から流れ出してくる。
「・・・つっ・・・」
暫くすると、みるみる元気になってくる。
はは、若いね、俺ら。
三田は枕の下からコンドームを出して、手慣れた手付きで俺のを触りながら逆の手でビニールの袋の端を口にくわえて開ける。
いつもながら用意周到。 感心する。
彼女とする時もそうしてんだろうな。
「ちょい待って。」
奴はそう言ってゴムを自分に装着する。
みんなそうだと思うけど、セックスの中でこれが一番間抜けな場面だよな。
女みたいに妊娠するってことはないけど、それよりもエイズ予防の為。
男同士ってそれが一番心配だ。
もし三田とやった所為でエイズにでもなったら洒落にならない。
あれ? ってことは女の子とアナルセックスしてもエイズになるのか?
素朴な疑問。
でも俺は彼女相手にそんなことしようと思わないからどーでもいいけど、三田だったらやりかねない、変態だから。
訊いてみようかと思ったけど、せっかくやる気になってる奴を萎えさせるのも面倒なので止めた。

BACK← →NEXT