ベッドに押し倒されてミシッという音と共に亮の体重を受け止めるとその重さに胸がジンとなる。
汗が乾いた素肌と吐息に1人じゃないって安心する。
「あ・・・・・・・・・ ――――― !!!」
キスされて、胸をまさぐられて声を上げると同時に瞑っていた目をうっすらと開けると天井に重なり合った2人が映っていて愕然とした。
僕はこんな恥ずかしい顔で・・・こんなに浅ましく亮を欲している ――――
そう思ったら途端にいたたまれなくなってしまった。
「待って!! 亮っ!」
「ん・・・? どうした? どっか痛いのか?」
「違う・・・天井が・・・鏡になってる・・・」
「ああ、こういうトコじゃよくあるぜ?」
「嘘っ!?」
何で? どうしてそんな細工なんかしてあるんだ?
「鏡見て興奮しろって事だろ? 延照も興奮するか?」
「しないよっ」
しないどころか気になって集中出来ない。 亮は平気なの? 僕は恥ずかしくて堪らない。
だってこんな自分の姿なんか見たくない、見るのは亮だけでいいんだ。
「気にする事ないから・・・な?」
「無理・・・絶対無理だよ・・・どうしよう・・・」
「延照・・・・・・」
自分勝手だって解ってる。 だけど亮とちゃんとしたいから余計な事を考えたくないから・・・。
「う〜ん・・・」
亮は明後日の方向を見つめて考え出す。
「ごめん・・・・・・」
「謝るなよ、ちゃんと2人で気持ち良くなるって言っただろ?」
「・・・・・・うん・・・」
「バックは延照の顔が見えないしなぁ・・・・・・あ」
「な・・・に・・・?」
「俺の上に乗るか?」
「え!? 上って・・・僕が亮を・・・その・・・するの・・・?」
そう言ったらいきなりプッて笑われた。
「延照がそうしたいんなら試してみてもいいけど?」
「そ・・・そういうつもりじゃ・・・どういう事・・・?」
「こうやってさ、ほら」
そう言って僕を起こしたかと思うと亮の身体に跨がせた。
「これって・・・・・・まさか・・・・・・」
「これなら鏡見なくて済むだろ?」
ニィッて亮が笑ってる。 確かにそうだけど・・・でも・・・。
「どうする? 他の手考えるか?」
「・・・・・・これでいい・・・・・・」
そうだよ、亮はちゃんと僕の事を考えてくれたんだもん、自信はないけどそれに答えるのも大切な事だよね・・・?
器用な指先が奏でる卑猥な音が部屋中に広がっている。
室内の温度が上昇していく秘密の情事を僕達は貪り合っていた。
「あっ・・・亮っ・・・これ・・・や・・・っ」
亮はニックに貰った潤滑剤を指につけ、それを僕の中へ侵入させてかき回す。
「は・・・んっ あっ あっ」
僕はもう自分ではどうしていいか解らないほど身体に力が入らなくて必死に両腕でシーツを掴む。
こんな僕を、僕は知らない。
「延照・・・・・・どうだ?」
「んっ んっ」
答える事が出来ないくらいに快感の波が押し寄せ、上に乗ってるって言っても亮に身を任せ、胸に頭を擦りつける形になっている。
さっき1回、僕は亮の指だけで達して死ぬほど恥ずかしかった・・・・・・亮が言うには前立腺を刺激されると自分の意志とは関係なくそれだけで射精してしまうらしい。
だから「気にしなくていいんだよ」って言われたけど。
でも・・・本当にそうだったのかな・・・僕が感じまくったからかもしれない。
「2本入った」
「そんな・・・言わなくたって・・・あぁ・・・っ」
羞恥心なんて言葉、1番遠く感じる・・・・・・どんなに恥ずかしいと思っても亮が作り出すこの快楽には到底勝てやしない。 亮の前では何の意味も持たない。
「もう・・・・・・入れて・・・・・・これ以上はもう・・・・・・」
・・・あの痛みを知ってるのにそんなセリフが自然に出ちゃうなんて・・・。
今すぐ亮が欲しい ―――― 我を忘れるくらいに僕を亮でいっぱいにして欲しいんだ。
「腰、ちょい上げて・・・・・・そしたら真っ直ぐに降ろして・・・」
「はぁっ・・・・・・はぁっ」
「焦らなくていいから・・・ゆっくり延照・・・・・・」
「んんっ・・・はぁ・・・・・・」
汗が流れ、知らない間に涙は出て、キスを繰り返した唇から唾液が滴り落ち、身体中の体液が外に向かって放出されてる気分。
腕でシーツをぎゅっと掴み自分の体重を支え、亮のアドバイスに従ってゆっくりと腰を落としていくと・・・・・・。
「―――― !!! うあっ」
もの凄い圧迫感が身体の中を駆け巡り、一瞬息が止まったかと思った。
まさかこんなにスーッて侵入してくるなんて夢にも思ってなかったから。
「うう・・・ふ・・・ぅ・・・・・・つっ」
潤滑剤と亮が丁寧にほぐしてくれたお陰で痛みはそれほどでもないけれど・・・変わりに何かに中心を突き刺されたみたいに身体が硬直している。
入れた反動で汗が噴き出しどこもかしこもびしょびしょに濡れていた。
「大丈夫か・・・? 辛いなら・・・・・・」
妙な力が入って自分では動けない・・・深呼吸してみたけれどダメだった。
「大・・・丈夫・・・痛くは・・・ないんだ・・・けど・・・」
心配そうに見つめる亮に笑って答えると額に溜まった汗を掌で拭ってくれて、優しく微笑みかえしてくれた。
「俺が動いた方がいいか?」
「う・・・ん・・・」
「解った・・・・・・痛かったり辛かったらちゃんと言えよ?」
「ん・・・・・・」
亮は心配をしながら僕の腰を強く掴み、そして ―――― 。
「んあっ あっ やっ あっ・・・!」
下から突かれる度に僕は仰け反って、喘ぎ、責められれば為す術もなくただ声を上げ、これが快感なのかのかさえ解らない状態に陥っている。
うっすらと目を開けると、亮は恍惚の表情を浮かべて僕を見つめていた。
「気持ち・・・っいい?」
「ああ。 すげぇ気持ちいいよ・・・お前を見てるともうイキそうだ」
「よか・・・んあっ 亮っ 亮っ りょ・・・っ」
上から汗を浮かべて感じてる亮を見ると、まるで僕の方が犯してるみたいな錯覚さえしてくる。
2人のペンダントが小刻みに揺れて張り付いた汗が飛び散り、亮の動きも徐々に早さを増してきた。
「・・・っ・・・延照・・・っ いいか・・・?」
「んんっ いいよ・・・亮のタイミングで・・・あ・・・っ」
「もう・・・っ ―――― っ」
「ああぁぁ・・・・・・っ」
グッと掴んでいた腰を一気に落とされて、ガクンと激しく腰が砕ける程突かれた。
それが今までの中で1番奥、深く、深く、亮と繋がれた瞬間だった。
僕の中にそのまま出したモノの熱い感覚が伝わってきて何だか感動して泣きそうだよ。
だって気を失わず、ちゃんと最後まで出来たんだから・・・。
「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・亮・・・・・・」
「延照・・・・・・痛くなかったか・・・?」
「ん・・・平気・・・」
何処までも優しい亮。 もう離れたくなんかない。
逢えない辛さを痛いほど解っているから・・・もう遠距離恋愛なんてしたくない・・・。
1年なんてあっという間、それくらい平気なんだと自分に言い聞かせてきたけれど、本当はとってもとっても寂しかった。
友達のままならば我慢も出来たかもしれない。
だけど想いが通じあったらもうダメで・・・・・・。 亮の息遣いや胸の暖かさを知ってしまった自分にはこの1年は相当きつかった。
強くなろうって決めたのも嘘じゃないけれど・・・。
「泣いてるのか? やっぱり痛かったんじゃないのか・・・?」
「ううん・・・そうじゃなくて・・・・・・亮が帰ってきてくれて嬉しいんだ」
「そうか・・・・・・」
2人で布団にくるまれて、何て幸福な時間を過ごしているんだろう・・・。
これからの問題は山積みで、今みたいに心も身体も幸せと思える日はもしかしたらあまりないのかもしれない。 意見が食い違って言い争いになる事だってあるだろう。
だけどね、亮、それを1つ1つ受け入れて、解決の糸口を見つけたその先に本当の幸せはあるんじゃないかと僕は思うんだ。
自分達が楽しいならそれでいいと言う年齢でもないし、だからって何もかも最初から諦めるなんて事もしたくない。
ゆっくりと時間を掛けて僕達の事を話していけば、きっと僕の父さんや母さん、亮の家族にも理解して貰えると信じているよ・・・。
誰よりも大切な亮の為に頑張るから・・・・・・。
「好きだよ、亮」
穏やかに笑みを浮かべる亮に口づけると、耳元で囁かれた。
「1年分のキスしようか?」
「・・・・・・うん」
そうして僕らはシャワーを浴びるまで数時間、きっと1年分以上のキスを繰り返す事になるんだね・・・・・・。
END
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どうしても2人の甘々エロが書きたくて頑張ったら頑張りすぎて砂吐きましたよええ(笑)
でもやっぱり私はこの2人のいちゃいちゃを書くのが好きなんだなぁ、と再確認も出来たからヨシって事にして下さい(^^;
しかし兜●わせと騎乗位って・・・どうなんだそれ。
(20051002)
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