とけるからだ

帰りのホームルーム、俺は早く終わんねーかと鞄を机に乗せ、その上に両腕を組んで更に頭を乗せてだらだらしていた。
毎日朝と帰り2回もHRがあるなんてかったるくてしょうがない。 どうせ大した事を話す訳でもないんだからさっさと帰らせろよな。
今日は特にそう思う、なんつってもこの後・・・。
「江藤、そんな訳でお前帰りに三田の様子を見てきてくれ」
あーそうですか、俺が三田の様子をね・・・っておいっ!!
「ちょい待ってよせんせー、何で俺が見に行かなきゃなんねーんだよ?」
「お前ら仲が1番いいんだから適任だろう?」
「はあっ!?」
「幸い三田の家、ここから近いし、頼んだぞ江藤。 それじゃ今日はこれまで」
そう言って担任は教室を出て行った。
待て! 待ちやがれ〜っ!! 今日はこれから彼女とデートなんだよ! 2週間ぶりにエッチするんだよ!
「江藤、三田んち行くんだったら差し入れ持ってってくれ」
前に座ってる宇佐見が笑いながら俺にエロ本を差し出す。
「1週間も風邪で休んでるんだったらさぞや溜まってんだろうからさ」
「てめぇで行け!」
「俺三田んち知らねーもん」
くっそーこのエロ本俺が貰ってやるっ。 三田んちなんか行かねーからな!


「あ、今日マジでワリィんだけどさ、ダチが風邪で休んじゃってて俺が担任に頼まれて見舞い行かなきゃなんねーんだ。 超ダリぃんだけどそんなワケだからホントごめんな。 今度埋め合わせすっから、じゃ」

何で俺は断りの電話なんかしてんだよ、何で彼女とのセックスより三田を取ってんだよっ。


ピンポーン。
・・・・・・・・・。
ピンポーン。
・・・・・・・・・出ねぇ・・・。
俺が・・・彼女を断ってまでこの俺が来てやったのに出ねぇとはどういう事だよ一体っ。
こうなりゃ出るまで鳴らしてやる。
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポーン。
「うるせーっ!!!」
三田が大声を上げながら玄関のドアをバンッと開けた。
「やっぱいるじゃねーか、すぐに出ろっつーの」
「江藤・・・?」
「ほら、折角来てやったんだから入れろよ」
俺は返事を待つまでもなく家に上がり込んで三田の部屋に入ると慌てて後から鍵を掛けて付いて来る。
「もう熱下がったのか?」
「あ・・・ああ・・・まだ微熱はあるけど・・・」
三田は髪がボサボサでジャージもどこかくしゃくしゃで、おまけに目やにまで付いていて今まで寝ていたのが解る。
「・・・お前何で来たんだ?」
ムッカ〜。
「俺だって来たくて来たんじゃねーっつーの。 お前の様子見て来いって頼まれたんだよ」
じゃなきゃ誰がてめーの顔なんか見に来るかっての。
「ふ〜ん、ま、いいけど俺まだふらふらすっから寝る」
そう言って三田はベッドに潜り込んだ。
確かに三田の顔はまだ赤い。 欠伸をして瞼が重そうだ・・・・・・が! 俺が来てやったんだぞ、そのまま寝ちまうなんて許せねー。
「寝たら宇佐見から預かったブツは渡さねーからな」
「は?」
「寝ないって約束するなら見せてやる」
はぁ、と三田はため息をついて「何だよ?」と手を差し出す。
「約束だからな?」
「はいはい解った、寝ねーよ」
その言い方、ちょっとムカつくんですけど。
鞄を開けてさっき奴から渡されたエロ本を三田の手に「ほらよ」と乗せた。
「これって今月号じゃん!!」
本を見て目が輝き出す三田。
俺が来た時は胡散臭そうな目で見ていたのに面白くねーぞ!
「お前まだ熱があるんだろ? 俺が先に見てやる、貸せ」
「これは宇佐見から俺への差し入れなんだろ?」
「持ってきてやったのは俺だ。 先に見るのは当たり前だろがっ」
「意味わかんねーよ」
「良いから貸せっ」
「ぜってー貸さねー」
「てめぇ」
エロ本の取り合いで押し問答をしていたらいつの間にか三田をベッドに組み敷いていたのに気付いた。
「・・・・・・っ」
・・・・・・やっべぇ・・・・・・。
「・・・? 何だ?」
俺がいきなり黙ったので三田が不思議そうに顔をのぞき込んで来た。
「・・・三田、俺本当は今日、デートだったんだからな」
「へーそりゃ残念だな」
解ってねぇ・・・こいつ解ってねぇぞ。
ぐいっと顎を掴んで唇を押しつけると、ビクッと三田の身体が硬直して持っていたエロ本がベッドから滑り落ちた。
「〜〜〜っ。 何すんだっ」
「2週間ぶりに彼女とファック出来ると思ってたのに、てめーの所為で潰れたじゃねーか」
「知らねーよ、そんな事。 俺から来てくれなんて言ってねーし」
「うるせー、変わりにお前が相手しろ」
三田は心底呆れた顔をして布団を被ろうとしたから思いっきり引き剥がしてやった。
「ざけんなっ! 江藤は見舞いに来たんだろ? だったらもういいから帰れよ」
ダメだ・・・もう俺はその気になっちまったから。
キスして気付いた唇の熱さ・・・他の部分はどうなんだろう・・・なぁ、やっぱいつもより熱いのか・・・?
そう思ったらムスコが三田に反応する。 その身体に吸い付いて同じ体温になりたい・・・・・・やりてぇ。
「やめ・・・っ」
俺が首筋を吸うと三田の呼吸が一瞬止まった。
「なぁ・・・熱出してたならしてねーんだろ? 溜まってんだろ?」
「だから・・・まだ微熱が・・・っ」
そんなのカンケーない、っつーかそれが目的なんだっつーの。
「あっ・・・江藤・・・」
名前を呼ばれてぞくっとした。 こいつこんなに艶っぽい声だったか?
俺の中の嗜虐な感情が電流の様に身体中に張り巡らされ、三田を嬲って啼かせてみたくなる。
俺は正直な人間だからそのまま実行に移すぜ、三田。
「うぁっ」
ジャージの上から三田の分身を撫でると・・・・・・何だよ、てめーも正直者じゃねーか。 自然と口元が上がっちまう。
布越しでもカチカチになってるのが解る。
「ふん、ぶってんじゃねーよ、ココは触って欲しいって言ってるぞ」
「・・・言ってな・・・っ」
言葉とは裏腹に焦れて勃起した三田の雄、俺がやらなきゃ自分でやるしかねーだろが。
「三田・・・」
「あっ・・・やめっ・・・えと・・・」
乱れてきた呼吸で強がりを言うこいつが妙に可笑しくて俺は容赦なく攻撃に出た。
優しくなんかしてやらない、喘ぎまくって「入れて下さい」と懇願でもしやがれ。
「は・・・っ・・・」
――― すげー・・・やっぱいつもより微熱効果で敏感になってる。
顔も身体も朱に染まり、やらしい三田の声と涙を浮かべた瞳がジャージ越しだった掌をトランクスの中へ誘(いざな)う。
・・・お前は何でこんなに俺を・・・。
揉まれて扱かれて髪を振り乱して・・・お前をこんな風に感じさせる事が出来るのは俺だけ・・・彼女でもなくこの俺だけなんだ・・・・・・。
これは独占欲なのか、単なる性欲なのかも解らない。 それでも今三田の頭の中に住んでるのは自分だけだと思うととてつもない満足感で身体が痺れる。

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