とけるからだ
NO.3
――― 喰われる ――― 。
確かに今、喰ってるのは俺の方なのに・・・入れられて喘いでるのは三田なのに・・・完璧に負けてると思った。
ぜってぇ口には出さねーけど。
ぐちゅぐちゅと音を立てて律動を繰り返すうちにホンキでヤバイと感じている自分。
「みっ・・・三田・・・溶ける・・・っ」
無意識に口をついて出た・・・「溶ける」
そうか・・・・・・そういう事なのか・・・・・・。
繋がった場所からそのままお互いの身体が溶け合いそうで・・・どれくらいで射精しそうかなんて計算が出来ないくらいの快感で身体中がドロドロになっていく感覚に捕らわれている。
三田・・・三田・・・お前はどうなんだ? 溶けそうか? 気持ちいいか? 俺をちゃんと感じてるか?
「江藤・・・っ・・・何・・・これ・・・」
「・・・三田・・・は・・・っ」
もうどっちが入れてるとか女役だとかどうでもいい・・・2人でこのままとことん堕ちて、ぐちゃぐちゃに交ざり合おう・・・。
「うあっ あっ あっ」
さっき出したばっかなのに三田は既に固くなってる、それがすげぇ嬉しい。
「江藤・・・えとう・・・っ」
三田の腕が俺を引き寄せ、首に手を回して縋り付く。
「三田・・・」
頬に掛かる熱い吐息も、涙で目やにが流れた瞳も全部俺のモノ・・・今は確かに俺だけのお前。
自然に舌を絡めると、さっきとは比べモノにならない程熱く粘る唾液と重なり合う呼吸。
上と下で繋がってとろける俺と三田の肉体が別の個体だなんて信じらんねーくらい一体化してるみたいだ。
「三田・・・俺マジでおかしくなったかもしんねぇ・・・」
「俺・・・も・・・こんなになったの・・・初めてだ・・・」
良かった・・・俺だけじゃなかった・・・お前も「そう」なんだな?
「さっきあんなに嫌がってたじゃねーかよ」
「だって・・・まさかこんなに・・・あっ・・・江藤・・・もっと・・・あっ・・・もっと突いて・・・っ」
三田が入れてる最中に要求してくるなんて考えられない事で・・・。
「・・・っ。 ・・・いいか・・・?」
「いいっ・・・すげーいい・・・っ んあっ」
三田の中はきっと凄い事になってる。
自らの精液と、そして多分カウパー腺液なんて生やさしい量じゃない俺のモノが一緒になって、その中心を最大限に大きくなったペニスが行ったり来たりしながら犯して、じっくり観察なんかしたらキモ過ぎて吐くに違いない。
でもそんなのどうでもいい、今最高の快楽を2人で貪り合っているから。
彼女とナマでしてもこんな快感は味わえない気がする。
三田だから・・・三田の身体だから・・・お前だけがこの俺を正気にさせてくれない。
愛してさえいないのにどうしてこんなに深く繋がれるんだろう?
もう「身体の相性がいい」なんてレベルじゃないと思う。 それ以上の何かが俺と三田にはあるんだ、絶対に。
「出る・・・っ 江藤・・・もう・・・」
このままずっといたいと思ってもそれは現実的にはムリで、だったら一緒にオーガズムを迎えよう。
「三田・・・中で出して・・・いいか?」
「ダ・・・ダメだ・・・そんなの・・・っ」
嘘だ・・・お前だって本当はどうなるのか知りたいくせに。
「・・・俺はお前の中でイキたい・・・イカせてくれ」
「や・・・だ・・・っ・・・」
声が小さくなっていく三田。 可愛くねぇのに最後の強がりが妙にいじらしい。
「えと・・・お・・・っ」
「三田・・・勘弁・・・」
「え・・・と・・・あっ あっ うああぁぁ ――― ・・・」
「・・・・・・みっ・・・み・・・たっ・・・・・・つっ」
遠のく意識の中で俺と三田は天国に行った。
体力を使い果たした俺たちはぐったりと重なりあっている。
「早くどけよ・・・っ」
下になってる三田が重そうに苦い顔をしながらクレームを付けてきたけど・・・まだ動けねぇ・・・。
「待って・・・もう少しだけ・・・」
「・・・・・・」
三田のザーメンで2人の腹はぐっちょり、俺のザーメンで三田のケツはねっちょり。
出すモン出したら気持ち悪いだけだよな・・・ははっ。
「・・・もう彼女とやっても感じないかもしんない」
「あ?」
三田がボソッと怖い事を呟いた。
確かに今日は今までしてきた中で最高のセックスだったけど、俺はちゃんと女とやれる自信あるぞ。
「何言ってんだぁ?」
「だってさぁ、江藤はどうだか知んねぇけど、俺は入れられてるのに死ぬかと思ったくらい気持ちよかったんだぜ? それって女とじゃムリだって事だろ?」
そうか・・・こいつは女役やってあんなによがってたんだよなぁ・・・でもさ。
「逆でも同じだったと思うぞ、俺は」
うわ〜俺ってこんなフォローまで入れちゃって何てイイ奴なんだ、って思ってたら三田の目がキラリと光った。
あれ・・・? まさか・・・まさかだよな・・・?
「へ〜、じゃあ、今度はてめぇのケツにナマで突っ込んでやるからな」
やっぱり・・・!!
「や・・・そう言う意味じゃなくって・・・」
「い〜や、ぜってぇ中出しする」
しまった・・・口は災いの元ってやつか? それともヤブヘビっつーの?
「冗談じゃねぇぞ、ゴムをさっさと出さなかったお前が悪いんだろ!?」
「てめぇのガマンがなくて勝手に突っ込んできたんじゃねーかよっ! この早漏っ」
「んだと!? 別に早くイったワケじゃねーだろが!」
あ〜あ、さっきはあんなに感じ合ったってのに、終わるとどうしてこうムカつくんだろう。
エロくて色っぽくて淫乱だった顔が、今はもう単なるダチの顔に戻っちまった。
「その話はまた次にとって置くとして・・・・・・いいからどけ! そんでちゃんと始末しやがれ!!」
「次も何もゴムなしなんてしねぇからなっ!」
「マジで自己中過ぎだ、江藤は」
「へっ」
ブツブツと文句を言いながらティッシュで丁寧に自分と三田の腹を拭いてやる。 2回分のザーメンは結構な量だ。
こいつ、やっぱ相当溜まってたんだなぁ・・・。
何枚か取り替えて今度は自分のとっくに萎えたムスコを丁寧に拭って・・・ここに三田のザーメンが付いてたのかよ・・・改めて考えるとちょっとイヤだなそれ。
いや、それより更にイヤなのは三田のケツの中を冷静な時に指を突っ込まなきゃなんねー事だ。
「あのさ・・・自分でやった方がいいんじゃねぇのか?」
俺がそう提案したらジロリと三白眼で睨まれた。
解った解った解りました、俺がやればいいんだろ。
突っ込んだ方が後始末をするって最初に決めたの俺だよ、はいはい。
指を入れて穴を広げるとトロリと出てきてちょっとグロい・・・。
「つっ・・・いってぇっ」
同じ行為なのに何でさっきはあんなに感じて、今は痛いだけなのか、身体のしくみって解かんねーなぁ。
解らないから人は抱き合うのだろうか? それとも気持ちよくなりたいだけなのだろうか?
お前はどっちなんだ?
俺はどうなんだろう? 溶け合うほど三田と1つになれればどっちでもいいか。
それにしても・・・薄い膜がないってだけでセックスってあんなに違うモンなのか・・・? とそこまで考えてハッとした。
そう言えば三田、微熱があったんだっけ・・・?
もしかしてそれの所為か? それともザーメンの所為か?
「何だよ?」
「いや・・・別に何でもねーよ」
――― 相乗効果って奴かもしんねぇなぁ。
「ちゃんと全部拭いたのかよ?」
「これ以上は俺には出来ない、後は風呂にでも入って自分でやってくれ」
「俺はなぁ、風邪引いてんだよ、完全に熱が下がるまで風呂に入るつもりなかったのに。 ぶり返したら江藤の所為だからなっ」
「てめぇだってよがりまくって俺に強請(ねだ)ったじゃねーかよ、「江藤、もっと突いて〜」って泣きながらさぁ」
「死ねっ!!」
三田のケリが頭に直撃した。 くっそ〜っ! 本当の事言っただけなのにっ!!
あれ? こいつもしかして照れてんのか? 顔が真っ赤だ。
な〜んか男なのに可愛いとか思っちまったよ。 彼女の方が数倍可愛いけどな。
でもな、やっぱお前とするのが1番性に合ってる、端から見ても自分で見ても変態だと思うけどしょうがねーじゃん、お前に嘘付いてもさ。
「・・・・・・三田、1回だけなら中出ししていいぜ」
「え?」
だってもしかしたら入れてる時より気持ちいいかもしんないじゃん、だから。
「1回だけな」
俺たちきっと離れらんねぇ・・・・・・それもまぁ、アリなのかもな。
おわり。
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やっと江藤が攻めに転じましたのでこれでリバの面目が立ちます(笑)
え〜「からだ」シリーズ第3弾は如何でしたでしょうか? ワタクシこれが精一杯のエロでございます、まだまだ甘いですか? 温いですか? ・・・精進出来るよう頑張ります;
最後に、リク下さった松本様、久しぶりのエロ、大変楽しゅうございましたv ありがとうございました〜vv
(20050403)
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