うずくからだ
NO.3

まだ酔っている重たい三田の身体をベッドに放り投げると小さな呻き声を上げた。
勢い、身体がバウンドしてひっくと喉が鳴って文句を言ってくる。
「てめー、もっと丁寧に扱え。」
「おめーなんかにそんなことするか。」
女にだったら優しくもするが、相手は三田だ。 そんなことしても一文の得にもならない。
「・・・江藤、今日、絶対変。」
そんなのとっくに解ってる、自分が一番信じられない。 大体いつも誘ってくるのはこいつの方なのに、どうして今日は俺がこんなに三田を欲しがっていんだろう。
ダチじゃない三田を知る度に新しい発見がある。
最初は睫毛の長さ、唇の柔らかさ、次は乳首の感じやすさやあそこのデカさ。 それから俺の性感帯をまさぐる指の形とか。
そんなのが身体に刻まれていく度に、どんどん三田から離れられなくなっていく。
堕落していくのは快感に近いものがあって、だからずぶずぶと深みにはまる。
「変じゃなきゃお前なんかに勃起するか。」
「はっ! やっぱ江藤はヘンタ・・・んぐっ・・・。」
憎まれ口をきいてる三田を自分の口で押さえ込んだ。 
もうあれから10分以上我慢していたから限界爆発。 収まるどころか血液がどくどくと音を立てて身体中が震え出す。 好きだとか愛してるなんて言葉は当てはまらない本能オンリーの欲求。
いつもよりもっと乱暴に三田の中を舌で這わす。 上の歯も下の歯ももちろん奴の舌も。
ディープキスをしてるだけで今日の俺は射精しそうになって慌てて口を離した。
んなアホな、キスでイキそうになるなんて、夢精したての小学生かっつーの。
まだ服を着ていた俺たちは、やっぱり三田はシャツから、俺はジーンズから脱ぎ始めた。
いつもとは逆でこいつはだるそうに、俺はソッコーで。
三田の上半身は酒の余韻で紅色に染まってそれが更にやらしさ強調。
俺を誘ってるとしか思えない。 このエロエロ星人がっ。
脱ぎきっていない三田のパンツをずり下げると、ついでにトランクスもコバンザメの如く付いてきた。 脱がす手間が省けてラッキー。
見るとまだ勃起する気配がない。 普段は脱ぐ前からビンビンなのに、何かムカつく。
「あっ・・・」
俺がいきなりそこを攻撃し始めたので、三田が声を出す。
「てめー、早く勃ちやがれ。」
「んな事言ったって・・・っつ・・・」
奴のムスコを扱きながら、後に残すのはやばいから止めようって決めていた首筋に思いっきり歯を立てた。 三田の身体が一瞬のけぞる。
「江藤っ! 止めろっ。」
頭を引っぺがそうとする手を払いのけてきつく吸い付く。 ヒルにでもなった気分だ。
「痛っ。」
苦痛の顔が浮かびあがってそれに満足する。 その間も俺の右手は奉仕を続けていて、まるで風俗嬢だ。 金とるぞ、マジで。
そっから10分、俺は三田のあらゆる所を舐めたり、いじくりまわしたりしているのに一向に勃ちやがらねー。 何度も喘ぎ声が聞こえるから、感じてる事は確かなんだけど、どうやら三田は酒が入るとペニスまで神経が回らないらしい。 
だからっていってそんなこと俺は許さねーからな。
「いい加減にしろよ、このインポ! ふにゃチン!」
男ならエッチの最中に言われてこんなに傷つく言葉は無いに違いない。
「うるせー、お前のテクがねーんだよ!」
ムカッ。
このヤロー、無理矢理犯したろか。
腹が立ったので根本をぎゅっと掴んで振り回してやった。 ぶらぶらして三田のそこが揺れる。
「人のチンポおもちゃにすんじゃねーよ!」
「こんなの勃たなきゃおもちゃと一緒だ。」
三田の腹に当たってぺちぺちと音がする。
「ぎゃはは、おもしれー。」
本当はすごーくムカついてる。
最後の手段、これだけは絶対に絶対にやりたくなかったけど、俺のテクに掛かってんのに酒が原因で血液がそこに回らないなんてプライドが許さない。
マジキモいが、こうなりゃ絶対に直立不動にしてやる。
もちろん俺はそんなことやったことねーけど、たぶん大丈夫。 彼女が俺にしてくれるみたいにすれば一発OKのはずだ。
ベッドの先にあるスイッチから照明を選んで押すと、部屋が薄暗くなってイルカと波の絵がぼうっと浮き出た。 どうやら蛍光塗料が塗ってあって微妙なムードの部屋になる。
「・・・何で暗くするんだ?」
「黙ってろ。」
三田は不思議そうな顔をする。 普段は夕方になる前にやってたから明るいまんま、けど、これからやる行為はあんまり見られたくない。
そっと三田のそれに顔を近づけると、ムッと女とは違う酸っぱいような青臭いような何とも形容しがたい匂いがした。 そうか、ペニスってこんな香りがするんだ、初めて知った。
身体の他の部分とまったく違った三田の性器。 それを今から俺はフェラチオするんだ。
試しにちょっとだけ先っぽを舐めてみた。
「えっ?」
三田がびっくりした顔で俺を見る。
「江藤・・・この前嫌だっていったじゃんか。」
「嫌にきまってんだろ? ばーか。」
「じゃあ・・・」
「うるせー。」
ぽこんと出ている亀頭を口の中に入れると三田が「ああっ」と喘ぎ出した。
そうか、こいつは彼女にもしてもらってないんだもんな。 言ってみれば未知の世界って感じだよな、あ、ってことは三田の初フェラは俺ってことか? 嬉しいんだか哀しいんだか。
彼女にやってもらてる技を一生懸命思い出しながら、舌を使ってまだ蛇腹になっている部分を下から上へ舐め上げていく。
正直、やり始めるとそんなにキモくもなかった。 それよりも三田の喘ぐ声が俺をエスカレートさせる。
「うわっ・・・あ・・・あ・・・やめっ・・・」
少しずつ半勃ちになって、それに比例して生まれて初めての感覚に首を左右に激しく振って悶えている三田は、まるでバージンの女の子みたいに見えてくる。
もっと啼かせてやりたい、もっと身体中に刻み込ませてやりたい・・・俺がお前の身体から逃れられなくなったように、俺なしじゃ感じられなくしてやりたい。
殆ど全部舐めまくった俺は三田のそれを口の中にすっぽりと入れた。
「え・・・えと・・・う・・・」
涙目になってこっちを見る三田は何てゆーか、自分の中にある残酷な部分を引き出されていく気分。 断じて俺はサドなんかじゃないけど、こいつをもっとどん底に突き落としてやりたくなる衝動に駆られる。
口を上下に動かしていると、それまで死んでいたモノがみるみる生き返ってきた。
みたか、俺様のテクを。 
三田の喘ぎは途切れる事がなく部屋の中に響き渡っている。
「・・・気持ちいいだろ?」
「も・・・おかしくなる・・・」
俺だってお前の所為でおかしくなりそうだ。 俺は身体の向きを変えて三田の顔に自分のペニスを近づけた。
「ほら、しゃぶれよ。 てめーばっか気持ちよくなってたまるか。」
「・・・・・・っ」
三田は何も言わず口にくわえた。
 
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